インパクト活用の前に
実際のインパクトマネジメント、インパクト会計活用の検討に際しては、各フェーズで何をどの粒度で検討するかを目的に応じて調整する必要が出てきます。例えば最初の一歩として以下のような論点に関して、評価にかかわるステークホルダーの間で大まかな目線合わせをしておくことが望ましいといえるでしょう。
背景や前提
評価の目的
- 具体的な活用目的:例えば、研究開発テーマの中でも、どういったステージゲートなどでの活用を想定しているか
- ターゲットとするのはグローバルな課題か、それともローカルな課題か
評価の方向性
- 第三者としての独立した評価
- 外部へのプロモーションを意識した戦略的評価、等
評価の詳細
対象となる領域
- 全社戦略や部門戦略として掲げているSDGS
- テーマ全般に対して設定している大まかなターゲット領域、等
評価の範囲
- ポジティブ・インパクトのみか、ネガティブ・インパクトも含むか
- インパクトだけではなく、経済的インパクト(雇用の効果など)などまで含めて評価するか波及効果も含めるか、等
評価の粒度
- 内部でのアクションが明確化するようなKPIレベルでの詳細な評価
- 一般的にイメージ・補足可能なアウトカムを中心に比較的粗い粒度での評価、等
最終的な推計単位
- テーマブロックごとに一定程度統一的な単位に落とす(tCo2、等)
- 経済価値(USD、等)まで落とし込むことでグローバルに比較可能とする
評価結果の活用
具体的活用方法
- どのような形で活用していくか
- 最終的な活用方法から逆算して、検討しておくべき要素やその他必要となる情報はあるか
中長期的な方針
- 今回の単発の取り組みをどういった形で継続的に企業・事業活動の中に組み込み、体制の構築や情報の蓄積を図っていくか
もちろん上記はインパクトマネジメント、インパクト会計の実施にあたっての主要な論点に過ぎないため、個別の状況や目的に鑑みて必要な調整を行う必要はありますが、まずは上記のような点について明確化しておくことがスムーズな活用に向けて肝要です。
impactlake™ 関連機能
ポートフォリオ管理機能
impactlake™では、上記のような目的や管理方針毎に切り分けてインパクトマネジメントを実施することが可能です。
機能詳細
- インパクトマネジメントの対象となる部門・ファンドなどの管理単位ごとに各種情報やアクセス権限等を切り分け可能
- ポートフォリオごとにイニシアチブ(=事業・投資先などインパクト創出活動単位)を設定・管理可能(※設定したイニシアチブごとにKPIやインパクトを管理可能になります)
- 各ポートフォリオごとにインパクトモデル(ロジックモデル+試算モデル)の設定・設計やインパクトレポートの作成が可能
- (今後の開発において)対象ポートフォリオごとのタスク管理・ワークフロー管理が可能に
機能活用の例
- 機関投資家やベンチャーキャピタルが、対象となるファンドごとにインパクトマネジメントを実施する
- スタートアップにおいて、対象となる取組ごとにインパクトマネジメントを実施する
- 事業会社において、部門(あるいは事業等)ごとにインパクトマネジメントを実施する
(その他、本機能に関する不明点等ございましたらサポートまでお問い合わせください。)