インパクト評価・定量化で重要なこと
インパクト評価には、ミクロ・マクロの視点から、またバックキャスティング・フォアキャスティングなどの方法でインパクトを認識するような様々な手法論が存在し、種々のサステナブル・ファイナンスやESG評価、ステークホルダーへの報告などに活用されています。そのような中でも、IMPACTLAKEが本Tipsで提示するものは、アウトカムベースアプローチに近いかたちで、企業や投資家がある程度共通的・汎用的にコミュニケーションが取れることを目的として設計されております。実務的な通例に鑑みると、上場株式投資、未上場株式投資、社債投資、その他事業戦略・企画上の意思決定等、大枠の方向性やインパクトを示していくことに重きが置かれるような性質の評価が本Tipsと相性が良いものとして挙げられると想定しています。
しかしながら、そのような方法論としての正しさや整合性もさることながら、最も重要な点はインパクト創出主体が適切なマネジメントを通じて、インパクト創出につながるインパクトを最大化し、加えてその重要性を創出主体の関係者(社員やステークホルダー)と適切な形で分かち合い、そしてそれらの方々と共通した認識やパーパスのもとにインパクト創出を事業戦略と整合した形で推し進めていき、サステナブルな業績・企業価値の成長を実現することです。同時に、そのようなインパクト創出主体が増えていくことにより、社会全体で創出されるインパクトは必然的に最大化されることにつながります。
評価ステップ
インパクトマネジメントでベースとなるインパクト評価は、大きく3ステップで実施します。
1.対象テーマ(或いはテーマ群)のターゲットとする課題の整理
各テーマが対象とするインパクトを定義
- 貴社定義/弊社プリセットのインパクトをベースに議論
- 同時に対象インパクト毎の定義やバウンダリの明確化
対象としたインパクトの構造化・ブレイクダウン
- 定義したインパクトの夫々についてどのように分解可能かを整理
- 課題解決のアプローチ毎に分解
2.各テーマのインパクト創出経路の整理および評価方法・評価基準の設計
評価対象の定義・確認
- 前段での課題整理に鑑み、各テーマにより実現される事業・技術がどのように貢献可能かを整理
評価/定量化の枠組構築
- 評価アイテムの定義・評価の枠組(インパクトパス)の構築
- 各アイテムについて、定量化に必要なKPI・パラメータの定義
- 定義したKPI・パラメータ夫々の調整・利用可能性の確認・ウェイトの検討
3.評価対象の選定および評価方法・評価基準の設計
各テーマごとのおおまかなKPI計画の策定
- 自社でコントロールできる部分に関して貴社にヒアリング・議論
- マクロ動向などコントロールできない部分の追加的調査・分析
インパクト評価・定量化
- 定義したインパクトパスに対し、各種二次情報やKPI計画などから取得・推計した数字を適用
- (Optional)一定の仮定に基づく経済効果試算(金額換算)
関連Tips
各ステップでの詳細なTipsは以下をご覧ください。
- Step0:インパクト活用の事前検討
- Step1:インパクト目標の設定
- Step2:インパクトモデルの構築
- Step3:インパクトモデルの精査
- Step4:インパクトKPI設定
- Step5:インパクト評価・定量化
- Step6:インパクトの経済価値化
- Step7:インパクト会計
- 関連用語・定義